自分のアタマで考えよう(ちきりん)を読んで考えたこと➀

ちきりん氏の本はどれもおもしろいですね。

 

特に四部作(自分のアタマで~・自分の時間を~・マーケット感覚を~・自分の意見で~)はどれも何回も読み直しています。マイベストは「自分の時間を取り戻そう」です。

 

それぞれの書籍のタイトルは、実はここ数年のテーマにもしています。一昨年は「自分の時間を取り戻そう」でした。生産性を高めるために日夜奮闘していました。昨年は「マーケット感覚を身につけよう」。難しかったです。全然できませんでした。

 

さて、今年。

 

「自分のアタマで考えよう」です。

 

せっかくなので章ごとに考えたことをまとめていきます。

 

今日は序章「『知っている』と『考える』はまったく別モノ」。

 

簡単に言えば、知識と思考を分けましょうということ。筆者は具体例として、プロ野球ファンの年齢構成を表すグラフを提示。データから考えられることは、実は知識に依っていないか?と述べています。

 

私が特に印象に残ったのは「知識は過去において、他の人がその人の頭で考えた結果」というフレーズです。

 

ニュースでよくあるなあと思います。

 

教育界では非常に多くのデータがありますので、考える材料には事欠きません。最近のニュースの中で、「他の人がその人の頭で考えた結果」をそのまま信じそうになった事例を挙げます。

 

それは、PISA2022の結果です。

 

次のようなグラフが国立教育政策研究所から出されています。

見事なV字回復。

 

OECD加盟国の中では2位とのこと。素晴らしいですね。

 

報道の中で、文科省が「新学習指導要領を踏まえた授業実現が進んだ」的なことを言っていたようです。他の人が考えた「知識」です。そのときは、「まあ、それは確かにそうかもね」と思いました。

 

確かに、現場でもそんな授業を模索しています。

 

が、しかしですね。コロナの忙しい中、そのような授業をできた学校は一握りでしょう。調査をしたのは2022年の夏。指導要領の全面実施(中学)は2021年です。1年間でいきなり授業が変わったと思いますか? いやいや、無理でしょうね。

 

それよりも先のグラフをもう一度見直して思うのは、凄まじい乱高下です。今年のV字回復はただの「平均への回帰」では?そんな気がします。別に何か日本が取り組んだわけではない。

 

日本のこの乱高下が示すのは、読解力に関してはきっと対策をしているんだなということ。テストは対策をすれば上がります。対策をしなければ下がります。2003年や2006年に一気に読解力が落ち、「これはまずい!」と思った官僚が一生懸命に方々に働きかけた結果、点数が上昇。その後、「やれやれ、上がってよかった。ひと段落」と思いきや、2018年にまた下がる。

 

きっとこれからもこの繰り返しでしょう。

 

つまり、日本の読解力はOECD平均よりはちょっと上…ぐらいのものだと思います。

 

この章のポイントは「知識と思考を分ける」ですが、言い換えれば「他の人が考えたことを鵜呑みにしない」でしょう。ちきりん氏の本は、どれも「あなたはどう考える?」が根底にあるように思います。

 

・・・

 

「本を読んで考える」とは、本に書かれていることに「賛成?反対?」や「納得?そうでもない?」を考えるだけではないと思います。むしろ、自分の身の回りのことにひきつけて、本に書かれていることを応用してみる方が力になるのではないでしょうか。

 

次回は第1章の話をします。